丈夫で育てやすいことで、人気のエアプランツ。
テラリウムとして飾り付けるなど、さまざまなディスプレイも可能です。
ですがよくいわれる、
エアプランツって、ほとんど水をあげなくてもいいんでしょ!
という情報が、実はまちがっているって知ってましたか?
エアプランツは、毎日水やりしてもいいくらい、水が好きなんです!
このように、エアプランツの本来の性質は、あまり知られていないようです。
そこで今回は、エアプランツの育て方のコツをご紹介していきます。
特徴や水やりの基本的なやり方から、季節で変わる育て方までしっかり解説しますよ。
「エアプランツをはじめて購入した」という方は、ぜひご覧ください。
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エアプランツ・チランジアの基本知識
まずは、エアプランツの基本知識をご紹介します。
[基本知識①]エアプランツ・チランジアとは?
エアプランツとは、北アメリカ南部から南アメリカまでを中心に自生する、プロメリア科チランジア属チランジアの一般名で、世界に600種以上の品種があります。
この学名から、エアプランツ=「チランジア」という名称でも呼ばれますね。
そしてエアプランツの最大の特徴は、「葉から水分を取り込める」こと。
葉の表面にある「トリコーム」という毛のような器官で、水分を取り込みます。
それで土に植えなくとも成長できるんです。
[基本知識②]エアプランツの魅力
エアプランツの魅力は、ユニークなシルエットにあります。
葉先がカールしたものや、いがぐりのようになるものなど、さまざまな形が。
葉も細い針状から、やわらかいフェルト状など、個性的な種類があります。
そして、鉢に植えずに育てられるので、土で部屋を汚すことがありません。
棚に置くだけでなく、額にからめて壁に飾ったり、吊るしたりと、さまざまにディスプレイできます。
観葉植物や多肉植物との相性もよいので、いっしょに飾って楽しむこともできます。
[基本知識③]エアプランツの2つのタイプ
エアプランツは、葉色で銀と緑の2タイプにわけられます。
葉の表面には、水分の吸収を助ける「トリコーム」という器官があり、その形状や量によって葉色がちがって見えるのです。
このタイプで、必要な水分や日照量が分かれるので、育てるときに参考にしましょう。
[タイプ①]銀葉タイプのエアプランツの特徴
乾燥に強く、ゆっくり成長するのが銀葉タイプの特徴。
トリコームが発達しており、葉全体が銀色に見えます。
水分を吸収する力が大きいため、乾燥に強い品種が多いです。
しかし代謝が穏やかで、ゆっくり成長するため、耐陰性があります。
また、蒸れに弱いため、風通しのよい環境づくりが大切です。
[タイプ②]緑葉タイプのエアプランツの特徴
明るい場所でグングン成長するのが、緑葉タイプの特徴です。
トリコームが目立たず、葉全体が緑色に見えます。
水をたっぷり与えると、元気に育ちます。
銀葉タイプよりも明るい場所を好みますが、直射日光による葉焼けには注意しましょう。
また蒸れには比較的強いため、テラリウムなど空気がこもる飾り方もできます。
株元の葉の外側が銀色に見えても、内側や葉先が緑色であれば、緑葉タイプとして考えてOKです。
エアプランツ栽培のコツ:上手に育てる6つのポイント
[ポイント①]品種を調べる
何よりも大切なことが、まず購入したエアプランツの「品種を調べる」こと。
なぜなら、同じエアプランツでも水やりの回数や、適切な日当たりが違ってくるからです。
そのためにも、タグがついていて、品種がわかるお店で株を購入しましょう。
そして品種名でGoogle検索を行って、水やりの回数や適切な置き場所を調べてみてください。
下写真のように、タグに育て方のコツが詳しく載っていれば、それを参考に育てます。
◆「エアプランツにはどんな品種があるの?」という方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
[ポイント②]やさしい日当たり
エアプランツは、やさしい日当たりを好みます。
屋外なら、遮光した半日陰の場所が最適です。
室内であれば、レースのカーテン越しの光があたる場所がいいですね。
遮光カーテンで光をさえぎってしまうと、元気に育ちません。
[ポイント③]水やりとソーキング
[エアプランツの水やり①]頻度:春~夏なら週に2~3回ほど
エアプランツは乾燥に強いイメージですが、実は水が大好きです。
品種によって異なりますが、一般的には次の頻度で水やりします。
- 春~秋:週に2~3回以上(毎日でもOK)
- 冬:7~10日に1回ほど
[エアプランツの水やり②]適した時間:夕方~夜
エアプランツの水やりに適した時間は、夕方~夜です。
「夜中に水分を吸収する」という性質ですので、日中に水やりしても、効率的に吸収することはできません。
ただし冬は、夜に水やりすると冷えすぎてしまうおそれがあるため、
[エアプランツの水やり③]方法:霧吹きやジョーロ
エアプランツの水やりは、霧吹きやジョーロで行います。
霧吹きの場合は、裏表両面に10回くらい水を吹きかけて、滴るまでたっぷりあげます。
その後、株を逆さにして振って、余分な水気を切ります。
夕方に水をあげて、次の日の午前中に、植物の表面が乾くのが目安です。
午前中に乾かないようなら、水やりの回数を2日に1回に減らしてみましょう。
[エアプランツの水やり④]ソーキングの方法
ソーキングとは、水を張ったバケツにエアプランツを浸して、水を吸わせる方法です。
エアプランツが水切れしてしまったときに、非常手段として行うことが一般的。
毎日の水やりができていれば、行う必要はありません。
長期間水やりができず、葉がしおれ、株がつぶれたようになっているときに行ってください。
エアプランツ全体が水に浸る大きさのバケツで、5時間ほどひたしてください。
ただし、冬は水が冷たすぎて、株が窒息死することがあります。
ソーキングは避けて、霧吹きなどの水やりで対応しましょう。
[ポイント④]風通しのいい場所で
あまり意識したことがない方が多いかも知れませんが、エアプランツには風通しも大変重要。
エアプランツは、風通しのいい場所で育てましょう。
日当たりと水やりをしっかりしてもうまく育たないとき、原因の多くは風通し。
エアプランツは、蒸れがとても苦手です。
葉についた水分が、そのままついていることを嫌います。
水を与えたあと、半日くらいで蒸発するのが理想的です。
室内で育てるときは、1日1回は30分以上の換気をして、自然の風をあててあげましょう。
あまり風が通らない部屋であれば、定期的に屋外へ出してあげるといいですね。
旅行などで数日、家をあける場合は、屋外に出しておくと元気に育ちます。
[ポイント⑤]葉の色を良くしたいなら肥料も
エアプランツは、肥料がなくても元気に育ちます。
ですが葉の色をよくしたい場合や、早く大きく育てたいときには、肥料が有効です。
観葉植物の希釈用液体肥料を、1000分の1ほどにうすめて、月に1回霧吹きでかけます。
4~10月の成長期にのみ行い、冬は与えません。
また肥料は、株が元気なときにのみ与えてください。
回数が多すぎると肥料焼けを起こしますので、注意が必要です。
[ポイント⑥]季節ごとの育て方
エアプランツは、春から秋にかけて成長し、冬は休眠します。
そこで、季節に応じた育て方をご紹介します。
[エアプランツの季節ごとの育て方①]春と秋
いちばん代謝がよく、成長する時期です。
傷みにくいので、部屋のインテリアとして楽しむことにも適しています。
エアプランツの春・秋の日当たり
暗いところで耐えられる品種でも、基本的には明るい場所が好きなのがエアプランツです。
できるだけ日当たりのよい場所においてあげましょう。
この時期は、多少強めの光があたっても大丈夫ですが、やはりレースのカーテン越しが最適です。
エアプランツの春・秋の水やり
週に2~3回以上、霧吹きやジョーロで水が滴るまであげましょう。
また、水やりの時間帯は、夕方から夜が最適。これは、エアプランツが夜に気孔が開く性質のためです。
雨水にあててもかまいません。
エアプランツの春・秋の風通し
風通しのよいところであれば、トレイの上などに置いているだけで十分に育ちます
吊るす方法も、蒸れが予防できるのでおすすめです。
風通しの悪い、部屋の中などで育てているときは、定期的に外に出して風にあててあげましょう。
ただし、最高気温が30℃を超えるときは、日陰に移してください。
[エアプランツの季節ごとの育て方②]夏
高温が好きなエアプランツにとって、本来は好ましい季節であるはずの夏。
ですがそれは、適切な風通しがあってこそ。
多湿や蒸れにとても弱いため、日本の夏はとても苦手なんです。
この時期、インテリアとして楽しむことはあきらめて、休ませてあげましょう。
エアプランツの夏の日当たり
室内のガラス越しでも、直射日光にあたると熱で弱り、葉焼けの原因になるため厳禁です。
必ず、日陰の涼しい場所に置いてあげてください。
エアプランツの夏の水やり
水やりについては、春・秋と同様です。
週に2~3回以上、夕方から夜に霧吹きやジョーロで水が滴るまであげましょう。
エアプランツの夏の風通し
日中、部屋を留守にする場合は、できるだけ屋外に置いてあげましょう。
ベランダなどの日陰で、物干しざおにワイヤーで吊るしておくのがおすすめです。
[エアプランツの季節ごとの育て方③]冬
エアプランツも観葉植物などと同様、気温が低くなることで成長が緩やかになります。
屋外で育てているエアプランツも、最低気温が7℃を下回るようになったら、室内に移しましょう。
エアプランツの冬の日当たり
室内で、レースのカーテン越しに日が当たる場所に置いてあげます。
エアプランツの冬の水やり
7~10日に1回ほど、水やりをしましょう。
春~秋とはちがい、冬は朝にあげます。
これは、夜にあげると冷えすぎてしまうため。
この時期は、室外で雨にあててはいけません。
エアプランツの冬の風通し
1日1回は、日中の暖かい時間帯に部屋の窓を開け、換気をして自然の風にあててあげます。
また部屋があまりに乾燥している場合は、加湿器を使ってください。
ヒーターの温風が直接当たると、乾燥しすぎるので注意が必要です。
エアプランツの栽培に必要な道具
記事の最後に、エアプランツの栽培に必要な道具をご紹介します。
エアプランツを育てるときに必要な道具
まずは必需品である、水やりの道具をそろえましょう。
霧吹き
毎日の水やりに使います。
栽培する数が少ないときは、ジョーロよりも霧吹きがおすすめです。
ジョーロ
屋外で育てるときの水やりに使用します。
栽培する数が多いときには便利です。
バケツ
エアプランツが乾燥しすぎたときの、ソーキングに使用します。
エアプランツを育てるときにあると便利な道具
室内にディスプレイしたり、作業であると便利なものです。
ピンセット
枯れ葉を取ったり、細かいディスプレイ作業を行うときに使います。
はさみ
折れた葉先や、花がらを切り取ります。
ワイヤー
エアプランツを板などに固定したり、吊るすときに使います。
まとめ:エアプランツ栽培のコツをつかんで元気に育てましょう
今回はエアプランツの育て方のコツや特徴、道具などをご紹介しました。
「あまり水が必要ない」と思われがちですが、実は水が大好きで、風通しが大切なこともわかっていただけたかと思います。
今回の記事で、あなたのエアプランツライフがより充実すれば、幸いです。
◆エアープランツの種類を知りたい方には、こちらの記事がおすすめです。
◆エアプランツを通販サイトで買いたい方には、こちらの記事がおすすめです。