観葉植物への肥料はどれを使うといいの?それにいつ・どうやって与えればいいの?
こうした疑問にお答えする記事です。
ホームセンターに行くとたくさんの肥料があり、どれを選べばよいのか、どう与えれば良いのかなど、わからないことは多いですよね。
そこでこの記事では、観葉植物のおすすめ固形・液体肥料や肥料の種類、選び方、与え方など、肥料についてのすべての情報をご紹介します。
「おすすめの観葉植物の肥料や、与え方のルールをよく知りたい」というときは、ぜひご覧ください。
観葉植物のおすすめ有機・固形・液体肥料をそれぞれ紹介
まずは、観葉植物のおすすめ肥料のご紹介です。
観葉植物の肥料の最強の組み合わせ:”固形+液肥+有機(+活力剤)”
あくまで「個人的に」ですが、観葉植物の肥料として「最強の組み合わせ」だと考えるのがこちらです。
- 固形肥料 + 液体肥料 + 有機肥料(+活力剤)
一般的には「固形肥料 + 液体肥料」の組み合わせですが、そこに「有機肥料」を加えることで、土が柔らかくなります。
さらに「活力剤」も加えて使用すれば、「肥料の三要素(くわしくは後述)」以外の栄養素も与えられ、植物が元気に育ちますよ。
ぜひ、この組み合わせを試してみてください。もう数年この組み合わせを試していますが、植物が病気になったことはほとんどありません。
◆「観葉植物におすすめの栄養剤(活力剤)や選び方」はこちらの記事でご紹介しています。
・記事「観葉植物のおすすめ栄養剤(活力剤)はコチラ!肥料との違いや選び方も解説」
〈観葉植物のおすすめ固形肥料(緩効性肥料)〉ハイポネックス錠剤肥料
観葉植物のおすすめ固形肥料(緩効性肥料)は、ハイポネックス錠剤肥料です。
2種類あるので、それぞれご紹介します。
おすすめ固形肥料①:ハイポネックス 錠剤肥料 観葉植物用
ハイポネックス錠剤肥料の1つめは、「錠剤肥料 観葉植物用」です。
「N-P-K」の割合は「10-8-8」と、「葉や茎をつくる」効果が高いN(チッ素)が豊富。
カタチが「ハート型」なので、置いているだけでもおしゃれです。
ひと粒が小さいので、小型の観葉植物に使いましょう。
おすすめ固形肥料②:ハイポネックス プロミック錠剤肥料 観葉植物用
ハイポネックス錠剤肥料の2つめは、「プロミック錠剤肥料 観葉植物用」です。
「N-P-K」の割合も、やはり前項のハート型と同じで「10-8-8」。
大きく違うのは、こちらはひと粒がやや大きいため、2ヶ月もつことです(ハート型は1ヶ月)。
錠剤肥料2粒が、10円玉よりちょっと大きいくらいですね。
中型の観葉植物を育てているときは、こちらの固形肥料を使ってみましょう。
〈観葉植物のおすすめ液体肥料(速効性肥料)〉ハイポネックス専用液肥 観葉植物
僕がおすすめする液肥は、ホントは一位がアルゴフラッシュなんですが、こちらの記事でご紹介したとおり、残念ながら販売停止に…。
そこで現在のおすすめ液体肥料は、またもやハイポネックスの「専用液肥 観葉植物」です。
「N-P-K」の割合は「7-4-4」とチッ素(N)が多く、葉に効いてくれます。
500倍にうすめて使うので、とても経済的な点もウレシイですね。
1000倍にうすめると、葉面散布にも使えます。
根が弱っているときは、葉から栄養を与えてあげましょう。
ハイポネックス専用液肥 観葉植物の肥料には「ストレートタイプ」と「アンプルタイプ」も
おすすめの「ハイポネックス専用液肥 観葉植物」ですが、もし、
薄めて使うのが面倒だから、そのまま植物に与えられるタイプはないの?
というときは、「ストレートタイプ」と「アンプルタイプ」もあります。
どちらも、肥料の成分は「0.2-0.1-0.1」ですが、アンプルタイプでは「鉄」をプラスしています。
「鉄」には、植物の「葉緑素」を作りだすはたらきがあります。
「育てている観葉植物が少ないので、希釈する液肥では使い切れない!」ときも、「ストレートタイプ」や「アンプルタイプ」をどうぞ。
〈観葉植物のおすすめ有機肥料〉MOO&PLANT(ムーアンドプラント)
観葉植物のおすすめ有機肥料は、「MOO&PLANT(ムーアンドプラント)」です。
十勝の乳牛のふんと尿を、3年以上発酵・熟成させてできた有機液体肥料。
肥料取締法による分類では、特殊肥料の「たい肥」にあたります。
有機資材ですが、ニオイはまったくありません。
コバエが発生したこともないです。
僕は2021年1月から使い始めたんですが、2月中旬くらいから、コーヒーの木にガシガシと若葉が出はじめました。
チッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)は0.5%未満で、植物が元気になる本質的な微量な要素(エッセンス)が詰まっています。
「原液のまま植物に与えても肥料焼けしない」という特徴も。
水やり後に数回プッシュして与えると、植物が元気になります。
土がやわらかくなることも特徴。それで結果的に、植物が元気になるのかもしれません。
〈ハイドロカルチャー(水耕栽培)のおすすめ肥料〉ハイポニカ液体肥料
ハイドロカルチャーとは、土のかわりにハイドロコーンといった「発泡煉石」などを使って植物を植え、器の少量の水をためて植物を栽培する方法です。
そんなハイドロカルチャーの観葉植物におすすめの肥料は、「ハイポニカ液体肥料」です。
水耕栽培・土栽培のどちらにも使用可能。
A液とB液を、同時に水で500倍に薄めて使います。
大量に液肥をつくることができるので、コスパも良し。
植物の生長に必要な成分が、次のようにバランスよく配合されています。
栄養補給が必須のハイドロカルチャーには、ピッタリの液肥です。
◆「ハイドロカルチャーの肥料の与え方」は、こちらの記事でくわしくご紹介しています。
・記事「【ハイドロカルチャーの観葉植物】おすすめの肥料はこちら!」
観葉植物の肥料の基本情報
次に、観葉植物の肥料の基本情報をご紹介します。
◆肥料のほかに「観葉植物を育てるときにそろえてほしい道具」は、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「【観葉植物】室内で育てるときに必要なもの!」
肥料とは?なぜ必要?
肥料とは、植物が育つときに必要な栄養分のことです。
自然に生えている植物なら、落ち葉や動物のフンなどが土のなかの微生物に分解されたものを、養分として吸収します。
ですが鉢などで植物を育てるときは、自然界のような「養分の循環」がありません。
土に養分がなければ、植物は元気に育つことができません。
そこで肥料を与えることで、植物が育つ栄養分を補ってあげるのです。
観葉植物は、花や野菜にくらべて多くの肥料は必要としません。それでも肥料を与えれば、葉がツヤツヤし、元気に大きく育ちます。
肥料と堆肥(腐葉土)のちがい
肥料と同じように土にまくものとして、「堆肥」や「腐葉土」がありますが、じつは役割・目的がちがいます。
前述のとおり、肥料の目的は「植物が育つ栄養分を補ってあげる」こと。
一方、「堆肥」や「腐葉土」、「石灰」といったものは「土壌改良材」といわれ、「植物が栄養を吸収しやすい、ふかふかの土をつくる」ことが目的です。
ただ、「土壌改良材」にも肥料成分がふくまれているものもあるので、完全に「肥料とはべつ」というわけではありません。
「石灰」などは、有機質肥料にも分類されます。
「土壌改良材」によっていい土をつくり、そこに肥料をまくことで、植物が育ちやすくなります。
観葉植物は、花や野菜にくらべて多くの肥料は必要としません。それでも肥料を与えれば、葉がツヤツヤし、元気に大きく育ちます。
肥料の三要素:チッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)
植物が必要とする栄養素のうち、特に重要なものが「肥料の三要素」とよばれるチッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)です。
この3つは植物の成長に最も必要な成分で、それぞれ次のように働きます。
- チッ素(N):葉や茎をつくる。葉の色を濃くする効果もある
- リン酸(P):花を咲かせたり結実させる。植物の整理作用を整える効果も
- カリウム(K):根の発育を促進する。耐寒性を高めることにも役立つ
3つの成分は土壌中で不足しやすく、肥料として補ってあげることが必要。
なかでもチッ素(N)は、不足すると葉が色あせるため、観葉植物にとって特に重要です。
そのため、観葉植物用の肥料はチッ素(N)を多めに配合してあるものがよくあります。
植物の生長に必要な養素は17種類
植物の生長に必要な養素は、次の17種類です。
- 空気や水として吸収
水素、炭素、酸素 - 土壌から吸収
・多量要素(三要素):チッ素、リン酸、カリ
・多量要素(二次要素):カルシウム、マグネシウム、硫黄
・微量要素:塩素、ホウ素、鉄、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ニッケル
前述の三要素に、次の働きをもつマグネシウム・カルシウムを加えて「肥料の5要素」とも呼ばれます。
- マグネシウム(Mg):リン酸の吸収をたかめる。不足すると下葉が落ちやすくなる
- カルシウム(Ca):根の発達をたすけ、植物を丈夫に育てる
肥料のパッケージに記載された数値「○-○-○」の見方
市販の肥料のパッケージには、下画像の「10-8-8」のように「3つの数値」が記載されています。
これは、肥料にふくまれるチッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の重量をパーセンテージを表しています。
上写真の場合なら、
- チッ素(N):10%
- リン酸(P):8%
- カリウム(K):8%
ということ。
なお、a「8-8-8」と b「16-16-16」では、bがaよりも2倍濃いということになります。
市販されている肥料の種類によって、3要素の割合がちがいます。
観葉植物の多くは葉を茂らせるたいので、チッ素(N)が多い観葉植物用の肥料を用意しましょう。
キレイな花を咲かせたいときには、リン酸(P)を与えます。
観葉植物の肥料の種類
観葉植物の肥料には、原料や形状、使い方の違いによって、次のような種類があります。
- 原料の違い:有機質肥料と無機質肥料(化成肥料)
- 形状の違い:粒状・錠剤の固形肥料(緩効性肥料)と液体肥料(速効性肥料)
- 使い方の違い:元肥(もとひ)と追肥(ついひ)
ここでは、肥料のそれぞれの種類をくわしく解説します。
〈肥料の種類①〉有機質肥料と無機質肥料(化成肥料)
肥料の種類の1つめとして、「原料」でわけると、次のように有機質肥料と無機質肥料(化成肥料)があります。
- 有機質肥料:堆肥のような天然由来の原料で作成
- 無機質肥料(化成肥料):化学的に合成して作成。すぐに効く速攻性(おもに液肥)と、ゆっくり長く効く緩効性(おもに固形肥料)の2種類がある
それぞれ次のようなメリット・デメリットがありますが、室内で観葉植物を育てるなら化成肥料がおすすめです。
- 有機質肥料
・メリット:土のなかの微生物を元気にするので、土をふかふかにする
・デメリット:微生物に分解されてから植物に効いてくるので、効果が遅く、においが出る - 無機質肥料(化成肥料)
・メリット:植物に与えたい要素(N・P・Kなど)を的確に与えられる。「速効性肥料」なら、植物にすぐに栄養を届けられる。においがない
・デメリット:土のなかの微生物が元気にならないため、土が固くなっていく
〈肥料の種類②〉粒状・錠剤の固形肥料(緩効性肥料)と液体肥料(速効性肥料)
肥料の種類の2つめとして、「形状」でわけると、次のように固形肥料と液体肥料があります。
- 固形肥料(緩効性肥料)
- 液体肥料(速効性肥料)
それぞれ次のようなメリット・デメリットがありますが、室内で観葉植物を育てるならどちらも使うのがおすすめです。
- 固形肥料(緩効性肥料)
・メリット:1~2ヶ月など長い期間、植物に栄養を与えてくれ、手間がかからない
・デメリット:速効性がない。手間がないぶん、追肥を忘れがちになる - 液体肥料(速効性肥料)
・メリット:速効性がある。水やり代わりに与えるので、手軽で、植物に目がいきやすい
・デメリット:栄養成分がすぐになくなるので、ずっと与え続けないといけない
以下では固形肥料と液体肥料について、くわしく解説します。
固形肥料(緩効性肥料)の特徴
固形肥料は長く効く緩効性肥料です。
元肥・追肥のどちらにも使え、粒状タイプと錠剤タイプがあります。
・粒状タイプ
粒状タイプの緩効性肥料は、植え付けや植え替えの際に土に混ぜ込んで使います。
また、表土にまいて追肥として使えるものもあります。
・錠剤タイプ
粒状タイプよりもひと粒が大きいのが、錠剤タイプです。
土の表面に置く肥料を「置き肥」といい、室内の観葉植物には、錠剤タイプの置き肥が最適です。
肥料は株からやや離して置き、軽く土に埋め込んでおきます。
ただし古くなった錠剤は、形が残っていても効果は残っていませんので、取り除くようにしてください。
液体肥料(速効性肥料)の特徴
効果が早く表れて使いやすい速効性肥料が液体肥料(液肥)です。
液肥は、「追肥」に使います。
また液肥には、希釈タイプとそのまま使えるタイプがあります。
希釈タイプでは肥料の量は毎回計り、規定量を守りましょう。
濃度を規定よりも濃くして与えると、「肥料焼け」を起こして、かえって害になってしまいます。
〈肥料の種類③〉元肥と追肥
肥料の種類の3つめとして、「使うタイミング」でわけると元肥と追肥があります。
漢字の読み方は次のとおり。
- 元肥:もとごえ、もとひ
- 追肥:おいごえ、ついひ
植物を植え付けるときや植え替えのときに、土の中に混ぜ込む形で与えるのが、元肥(もとひ)です。
元肥の肥料効果が薄れるころに、成長に応じて与えるのが追肥(ついひ)です。
多くの場合、元肥には固形肥料が、追肥には固形と液肥の両方が使われます。
◆「観葉植物の植え替えのやり方と時期」についてくわしくは、こちらの記事で解説しています。
・記事「【観葉植物の植え替え】やり方とポイントをわかりやすく解説!」
・記事「【観葉植物の植え替え】最適な時期はいつ?植え替えのサインや冬の対応も紹介」
観葉植物の肥料の選び方
次に、観葉植物の肥料の選び方をご紹介します。
〈肥料の選び方①〉観葉植物にはチッ素(N)が多い化成肥料を選ぶ
室内で観葉植物を育てるなら、観葉植物にはチッ素(N)が多い化成肥料を選びましょう。
チッ素(N)は葉や茎をつくり、葉の色を濃くする効果もあります。
また無機質肥料(化成肥料)なら、ニオイもありません。
前述のとおり、化成肥料には「土を固くする」というデメリットが。ですが観葉植物は1~2年で植え替えを行い、土を替えますので、あまり気にしなくてOKです。
〈肥料の選び方②〉花が咲く品種にはリン酸(P)多めの化成肥料を選ぶ
スパティフィラムなど、花が咲く品種には、リン酸(P)分が多めの化成肥料を選びましょう。
「N-P-K」の”P”ですので、「○-○-○」のまんなかの数字が大きいものを選んでください。
固形肥料では「観葉植物むけ肥料」を与えて、液肥で「花・実むけ肥料」を与えるのもいいですね。
〈肥料の選び方③〉追肥には固形肥料と液体肥料のどちらが良い?→併用がオススメ
追肥には固形肥料と液体肥料の2種類がありますが、どちらを使うのが良いのでしょう?
結論としては、「固形肥料と液体肥料を併用しましょう」です。
併用することで、肥料をあげ忘れてしまうことがなくなり、植物に効果的に栄養を与えられます。
僕はまえから”固形と液肥の併用”をしていますが、これまで肥料やけで枯れたことはありません。「どちらも使うと効きすぎない?」という心配はしなくても大丈夫です。
〈肥料の選び方④〉元肥は専用の肥料を選ぶ
植え替えなどで元肥をつかうときには、元肥専用の肥料を選びましょう。
専用でない固形肥料では、根がふれると肥料焼けなどの障害を起こしてしまいます。
元肥でおすすめは、ハイポネックスの「マグァンプK 中粒」。
約1年間も効きつづけて、植物が育つのを助けてくれます。
〈肥料の選び方⑤〉液体肥料は希釈タイプ・ストレートタイプ・アンプルタイプのどれを選ぶ?
液体肥料には次の3つのタイプがあり、アンプルのほうが割高です。
- 希釈タイプ:原液で販売され、希釈(薄めて)して使用するタイプ
- ストレートタイプ:すでに希釈されているので、そのまま使用できるタイプ
- アンプルタイプ:ストレートタイプがさらに小分けで販売され、そのまま鉢土に挿して使うタイプ
3つのうちどれを選べばいいのかは、「どのくらいの数の観葉植物を育てているか」によります。
たくさん育てているなら、希釈タイプがおすすめ。
使用する液肥の量も多いので、ストレートタイプではすぐなくなってしまいます。
逆にミニサイズ1~2鉢なら、アンプルタイプがおすすめ。
あまり液肥の量はいらないため、希釈タイプではあまってしまいます。
数鉢を育てているなら、まずストレートタイプを買ってみて、それがすぐなくなったなら希釈タイプにしてみましょう。
観葉植物の肥料の与え方と与える時期
次に、観葉植物の肥料の与え方と与える時期をご紹介します。
元肥(固形肥料)の与え方
元肥(もとごえ・もとひ)の与え方は、「元肥専用の肥料を選び、植え替えなどの土にまぜる」です。
こちら↓の、ハイポネックスの動画でわかりやすく説明しています。
なお、元肥をつかった場合は、追肥では固形肥料ではなく液肥をすこし薄くして使いましょう。
肥料を与えすぎると肥料焼けを起こします。
ただ個人的には、観葉植物に元肥は必要ないと思っており、使っていません。マグァンプも”6-40-6”と花用の配合ですし、植え替え後に追肥すれば十分です。
追肥(固形肥料・液肥)の与え方
追肥の与え方は、「植物ごとの肥料を与える時期に、適正な量を与える」です。
たとえば「コーヒーの木」なら、生育期である5~9月に緩効性肥料を与えます。
また固形肥料と液体肥料は、併用することがおすすめ。
どちらも与えることで、生育旺盛な品種でも、元気に育ってくれます。
なお、固形肥料は茎から離して置いてください。
これは、株元の根が鉢土の表面ちかくにあり、近くに固形肥料を置くと濃度が高いまま、根に触れてしまうため。
すると根の細胞が壊され、養分と水分を吸収できず、最悪の場合枯れてしまいます(これが「肥料やけ」です)。
液肥は植物についてもOKですので、通常の水やりのように鉢土の表面全面に与えます。
また液肥は、葉面散布に使えるものと使えないものがありますので、肥料の説明文を確認しましょう。
肥料を与える時期は「生育期」
観葉植物には、旺盛に生長する「生育期」と、生長を休む「休眠期」があります。
肥料を与える時期は、原則として「生育期」と覚えましょう。
多くの観葉植物の「生育期」は春~秋、「休眠期」は冬です。
「休眠期」に肥料を与えると、「肥料焼け」を起こすことがあります。
また「休眠期」以外にも、次のときは肥料を与えることは避けましょう。
- 植え替え直後(元肥はOK)
- 生育不良のとき
- 年1回咲く草花の開花中
観葉植物の肥料の注意点
次に、観葉植物の肥料の注意点をご紹介します。
〈注意点①〉肥料をあげすぎない
肥料を多く与えると元気になりそうな気もしますが、実はあげすぎは逆効果です。
あげすぎると根が「肥料焼け」を起こして、最悪の場合は枯れてしまうことも。
「肥料焼け」とは、肥料を与えすぎることによって、葉先が黄色になったり、葉が枯れてしまう症状
観葉植物への肥料を与えるときは、規定の用量や希釈(うすめる)倍率をしっかり守りましょう。
〈注意点②〉”弱った植物”には肥料を与えない
2つめの注意点が、「”弱った植物”には肥料を与えない」です。
弱った状態ではうまく水が吸い上げられず、土の肥料濃度が高くなり、根の水分までが肥料に奪われてしまうから。
元気にするつもりが、植物にさらにダメージを与え、最悪の場合枯れてしまいます。
植物が弱ったときには、水やりをひかえめにして様子を見るか、リキダスなどの「活力剤(栄養剤)」を与えましょう。
植物が元気になったら、また肥料をあげましょう。
◆「観葉植物におすすめの栄養剤(活力剤)や選び方」は記事「観葉植物のおすすめ栄養剤(活力剤)はコチラ!肥料との違いや選び方も解説」でご紹介しています。
◆「観葉植物への肥料と栄養剤(活力剤)の違いと使い分け方」を知りたいときは、記事「観葉植物の「肥料」と「活力剤(栄養剤)」の違いとは?どっちを使うといい?」をどうぞ。
【実例紹介】人気観葉植物への肥料の具体的な与え方と与える時期
次に実例として、人気観葉植物への肥料の具体的な与え方と与える時期をご紹介します。
人気観葉植物 ポトスへの肥料の与え方と時期
人気観葉植物のポトスには春~秋に、緩効性化成肥料を2ヶ月に一度与えます。
生育が旺盛な植物ですので、順調に成長している株には、さらに規定量に薄めた液肥を2週間に1回与えます。
冬に、新芽が出なくなったら、肥料を与えるのはストップします。
◆植物には「幸福度・生産性が高まる、空気を清浄化する」などのメリットも。くわしくはこちらの記事でご紹介しています。
・記事「部屋で観葉植物を育てるメリットとは?」
人気観葉植物 パキラへの肥料の与え方と時期
人気観葉植物のパキラには春~秋に、緩効性化成肥料を2ヶ月に一度与えます。
株を大きくしたいときは春〜夏に、薄めの液肥を2週間に1回あげましょう。
冬は肥料を与えません。
◆「パキラの育て方」は、こちらの記事でくわしくご紹介しています。
・記事「人気の観葉植物パキラの育て方を解説!」
◆「大きいサイズの観葉植物のおすすめ品や選び方」は、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「【大型の観葉植物】おすすめはコチラ!」
観葉植物への肥料の与え方Q&A
記事の最後に、観葉植物への肥料の与え方Q&Aをご紹介します。
Q1.液肥を与えたあとは水やりをしないほうがいい?
夏の暑い時期などで、
植物に液肥をあげたけど、量が少なかったみたいで、半日したら土が乾いてきちゃった。また水やりしたら、液肥が流れちゃいそう…。
こんな経験はありませんか?
ですが液肥は吸収が早いため、あげた時点で十分に効果があります。
液肥を与えてから数時間もすれば、植物はしっかり吸収済みです。
そして何より大切なのは、「液肥をあげたあとに土が乾いていたら、必ず水やりをする」こと。
液肥を与えたあとに、鉢土を乾かすことはNG。
これは、鉢土の水分が蒸発すると、肥料の成分が濃縮され、植物の根を痛めてしまうためです。
液肥を与えたら数日間は「鉢内の肥料を洗い流す」くらいの気持ちで、たっぷりと水を与えましょう。
Q2.肥料がいらない観葉植物はある?
じつは、ほとんどの観葉植物は、肥料がなくてもフツウに育ちます。
”花”や”野菜”だと、花をキレイに咲かせたり、野菜を大きくおいしくするために肥料は必須。
ですが「葉っぱの鑑賞」がメインである”観葉植物”では、肥料を与えなくても、とくに不具合はでないのです。
ではなぜ観葉植物に肥料を与えるかというと、「株や葉をより大きく元気に育てる」ため。
春~秋にしっかり肥料を与えて、丈夫な株に育てると、冬の寒さにも負けにくくなります。
育てやすくもなりますので、観葉植物にはぜひ肥料を与えてあげましょう。
Q3.栄養剤・活力剤(アンプル剤)と肥料の違いは?
「栄養剤」・「活力剤」や、鉢土などに挿して使う「アンプル剤」は、厳密にいえば肥料ではありません。
「肥料」と「栄養剤」・「活力剤」の正確なちがいは次のとおりです。
- 肥料:「チッソ・リン酸・カリがそれぞれ0.1%以上、もしくは2成分以上の合計量が0.2%以上含まれる」を満たすもの
- 栄養剤・活力剤:「チッソ・リン酸・カリがそれぞれ0.1%以上、もしくは2成分以上の合計量が0.2%以上含まれる」を満たさないもの
「栄養剤」・「活力剤」は、人間にとっての点滴のようなもので、弱った植物を元気にしたり、周りの環境への適応能力を高める効果があります。
ハイポネックスでは、「活力剤」を次のように説明しています。
活力液はビタミンや鉄分などの栄養素を配合したもので、肥料成分は含まれていません。ダメージを受けた植物を回復させたり、開花促進や成長促進用に販売され、速効性はありますがピンチの際の応急処置と考えましょう。活力液だけでは植物は育ちません。肥料と併用してご使用ください。
ハイポネックス FAQより
「栄養剤」・「活力剤」は肥料の代用品にはなりません。
植物が元気なときには「肥料」を使い、元気がないときには「活力剤」を使うなど、上手に使い分けましょう。
◆「観葉植物におすすめの栄養剤(活力剤)や選び方」はこちらの記事でご紹介しています。
・記事「観葉植物のおすすめ栄養剤(活力剤)はコチラ!肥料との違いや選び方も解説」
◆「観葉植物への肥料と栄養剤(活力剤)の違いと使い分け方」についてさらにくわしくは知りたいときは、こちらの記事をどうぞ。
・記事「観葉植物の「肥料」と「活力剤(栄養剤)」の違いとは?どっちを使うといい?」
Q4.「観葉植物への肥料の与え方」を教えてくれるサービスはある?
「観葉植物への肥料の与え方をくわしく知りたい!」というときは、オンラインサービスを使ってみましょう。
おすすめは”スキルのオンラインマーケット”のcoconala(ココナラ)。
500円~といった低料金で、園芸業界で長くはたらいた方などに相談できます。
観葉植物の育て方・コーディネートなどのアドバイスを個別でもらえるので、「せっかく購入した植物を枯らせたくない!」という方は、ぜひ利用してみてください。
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「どの肥料がいいか」を選ぶときの参考にどうぞ。
・Amazon:肥料・土壌改良剤 の 売れ筋ランキング
・楽天市場:植物活性剤ランキング
・Yahoo!ショッピング:ガーデニング用肥料、活力剤ランキング
◆「欲しい植物・道具があるけれどお店で見つからない」ときは、通販サイトで探してみましょう。
・記事「観葉植物のおすすめ人気通販サイトをご紹介!」
・記事「園芸のおすすめ人気通販サイトまとめ!」
まとめ:適切な種類・タイミング・量で肥料を与えよう
この記事では、観葉植物のおすすめ固形・液体肥料、肥料の種類や選び方、与え方、人気観葉植物ポトス・パキラへの肥料の与え方実例までご紹介しました。
ぜひ今回の記事を参考に、適切な肥料を選んでみてください。
そして適切なタイミングと量で与えれば、あなたの観葉植物は、ますます元気に美しく育ちますよ。
「↑各通販サイトのくわしい情報や、他のおすすめサイトを知りたい!」ときは、記事「観葉植物のおすすめ通販サイト」・「フェイクグリーンのおすすめ通販サイト」をどうぞ!
”毎日の作業風景”をご紹介しているAmebaブログ↓も、ぜひご覧ください。
◆「観葉植物の情報全般」は、記事「観葉植物まとめ」にまとめています。
参考文献
この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。
- 書籍 吉田 健一・監修『すぐに使える!土・肥料・鉢』NHK出版
- 書籍 尾崎 忠・監修『はじめてのインドアグリーン 選び方と楽しみ方』ナツメ社