ホームセンターに行くと、いろいろな種類の土が売っているので、
観葉植物には、どんな土を選べばいいの?おすすめはどれ?
こういった疑問はありませんか?
土のことを教えてもらう機会なんてそうそうないので、「どんな土がいいのか」なんてわかりませんよね。
そこでこの記事では、観葉植物におすすめの土や理想的な土の条件、培養土の選び方などを解説します。
「培養土のことをよく知って、観葉植物を元気に育てたい!」というときは、ぜひご覧ください。
◆観葉植物には「幸せになる・生産性が高まる」など、たくさんのメリットが。ぜひ、観葉植物のおすすめ通販サイトで購入して、育ててみましょう。
◆「暮らしに癒しが欲しい!」というときは、記事「おすすめ”花の定期便”を紹介」で”花のサブスクのおすすめサービス”をご紹介しています。
観葉植物におすすめの土を紹介
まずは、観葉植物におすすめの土をご紹介します。
[おすすめ1]プロトリーフ 観葉植物の土
1つめの観葉植物におすすめの土は、プロトリーフの「観葉植物の土」です。
●配合:赤玉土/鹿沼土/ピートモス/バークたい肥/もみがらたい肥/くん炭 など
プロトリーフとは、園芸資材の製造・小売りや、東京でガーデンセンターの運営などを行うメーカー。
「観葉植物の土」は、良質な赤玉土や鹿沼土を配合しました。
通気性がいいため、観葉植物を健康的に育ててくれます。
[おすすめ2]プロトリーフ すてられる土
2つめのおすすめ培養土は、ここまでの2つとは違って「もえるゴミとして捨てられる土」を選びました。
「プロトリーフ すてられる土」です。
●配合:ココヤシピート/ハスクチップ/菌根菌 など
後述するとおり、土は「もえるゴミ」としては捨てられません。
なかには「少量では回収しない」という自治体もあるため、土の廃棄に困っている方も多いようです。
「プロトリーフ すてられる土」は、ココヤシピートとハスクチップが主原料で「もえるゴミ」として捨てることが可能。
植え替え時などに、土の廃棄に困りません。
また軽い原料を使っているため、持ち運びもラクです。
[おすすめ番外編]多肉植物の土を2割混ぜるのがオススメ
個人的なおすすめワザですが、観葉植物の培養土には、多肉植物の土を2割混ぜるのがオススメです。
多肉植物用の培養土とは、つまり水はけがよい土。
こうすると「水やりの頻度」は上がりますが、そのぶん鉢土に「水がたまりすぎる」ことを防げます。
特に、観葉植物の育成初心者の方にはおすすめ。
「水をやりすぎて枯れる」ことが少なくなりますよ。
なお、鉢底石も忘れずに使いましょう。
鉢底石を入れないと水はけが悪くなり、「根腐れ」が起こりやすくなるので注意!
◆「欲しい植物・道具があるけれどお店で見つからない」ときは、こちらの記事でおすすめ通販サイトをご紹介しています。
・記事「観葉植物のおすすめ人気通販サイトをご紹介!」
・記事「園芸のおすすめ人気通販サイトまとめ!」
観葉植物の土の基本情報
次に、観葉植物の土の基本情報をご紹介します。
◆土のほかに「観葉植物を育てるときにそろえてほしい道具」は、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「【観葉植物】室内で育てるときに必要なもの!」
観葉植物にとって「土」が大切な理由と役割
観葉植物にとって「土」が大切な理由は、土が「根の育ち」つまりは「観葉植物の育ち」に直結するためです。
具体的にいうと、土には次のような役割があります。
- 植物を支える
- 植物の根を気持ちよく伸ばす
- 植物の根に、順調に生長できる養水分を植物に供給する
- 植物の根に、酸素を供給する
とくに上記4は、意外に思う方が多いかもしれませんが、じつは植物の根も呼吸をします。
そのため、鉢の土が”水びたしの状態”だと、根が呼吸できずに「根腐れ」を起こし、枯れてしまうんです。
根が窒息しないためには、空気が通り抜ける空間が必要。
上記1~4をかなえるために理想的な土が、後述する”団粒構造の土”というわけです。
また、いくら水やりが上手でも、植物に合っていない土を使うと枯れてしまいます。たとえば「花や野菜の土」は保水力が高すぎるので、根腐れが起こりやすいです。
粉状の土「微塵(みじん)」は観葉植物には使わない
粉状の土「微塵」は水はけを悪くしますので、観葉植物には使わないようにしましょう。
「みじん」とは、こちら↓のようなもので、後述する「単粒構造」の土。
たとえ理想的な「団粒構造」であっても、「みじん」が混ざっていると、すき間が埋まってしまい、排水性が悪くなります。
土の排水性を良くするためには、まずは「微塵」が少ない培養土、つまり品質の高い培養土を選ぶ。
ただし品質が高い土でも、流通の過程などでこすれるなどして「微塵」は発生します。
軽くふるいにかけ、大まかにでも良いので「微塵」を取り除いてから、鉢に使いましょう。
培養土を手荒に取り扱ったり、スコップをざくざく挿すことでも「微塵」が発生します。土は優しく取り扱ってください。
観葉植物の土の捨て方・廃棄方法:地域によって異なるので要確認!
観葉植物の土の捨て方・廃棄方法としては、地域によって異なりますので注意が必要です。
お住いの地域の市役所サイトなどで「ゴミの捨て方」を確認してください。
たとえば、僕の住んでいる山形県山形市では、「土(園芸用土等で少量に限る)」については「埋立ごみ」となります。
市の指定する「茶色文字の有料指定袋」で、月に1回の収集日にゴミ出しです。
◆「観葉植物や土の捨て方」についてくわしくは、こちらの記事をご覧ください。
・記事「燃えるゴミ?不燃物?観葉植物の捨て方を解説!土の捨て方も紹介」
植物の”理想的な土”のハナシ
次に、植物にとっての”理想的な土”についてご紹介します。
植物の理想的な土は「団粒構造」
植物の理想的な土は、「団粒構造」の土です。
「団粒構造」とは下図のように、小さな粒子が適度な大きさで固まった状態。
団粒と団粒のあいだには「すき間」があるため、水や空気が通りやすく、「排水性・通気性」が良くなります。
(「団粒のなか」にもすき間ができます)
「団粒構造」の逆が、小さい粒子だけの土である「単粒構造」。
こちらは「すき間」がないため、水も空気も通りにくく、「排水性・通気性」が悪くなります。
前述の「みじん」は単粒構造。
「排水性・通気性」が悪いので、鉢土には使わないようにします。
〈実例〉赤玉土は団粒構造、赤土は単粒構造
「団粒構造」と「単粒構造」のちがいをわかりやすくするために、ここでは実例をご紹介します。
赤玉土は団粒構造で、赤土は単粒構造です。
赤玉土とは、「赤土を乾燥させたつぶ状の土」のこと。
団粒構造ですので、すき間ができやすく、根が張りやすくなります。
ただし赤玉土も、鉢土として長く使っていると、団粒構造がくずれて「赤土」になります。
すると根が育ちにくくなるため、1~2年に一度植え替えを行うときには、土も新しくすることが必要です。
とはいえ、赤玉土だけで観葉植物を育てるケースはあまりありません。後述するように、ほかの用土が配合されて、培養土として使われます。
植物の”理想的な土”の4条件(排水性・保水性・通気性・保肥性)
植物の理想的な土は、次の4条件を満たすものです。
- 水はけがよい(排水性)
- 水持ちがよい(保水性)
- 空気のとおりがよい(通気性)
- 肥料のもちがよい(保肥性)
前項の「団粒構造の土」はこの条件をすべて満たすので、植物がよく育ちます。
ちなみに上記1と2の「排水性」と「保水性」は、一見すると矛盾するようですが、団粒構造であれば両立可能。
団粒のなかに水分を含みつつ、すき間があるので余分な水は流します。
観葉植物で使用する培養土の選び方
次に、観葉植物で使用する培養土の選び方のご紹介です。
ピッタリな培養土は植物ごとに違います
培養土とは、植物を育てるために、基本用土(赤玉土・鹿沼土など)に改良用土(腐葉土、ピートモス、バーミキュライトなど)や肥料を混ぜ合わせた土のことをいいます。
そしてピッタリな培養土は、植物ごとに違います。
たとえば、”花・野菜”、”観葉植物”、”多肉植物”それぞれの培養土は、一般的に下表のような性質をもちます。
種類 | 保水性 | 排水性 | 通気性 |
---|---|---|---|
花・野菜用の培養土 | 高い | 低い | 低い |
観葉植物用の培養土 | ふつう | ふつう | ふつう |
多肉植物用の培養土 | 低い | 高い | 高い |
そのため、観葉植物に「花・野菜用の培養土」を使うと、水分量が多くなり、根腐れしやすくなってしまうことに。
それぞれに適した培養土を使って、植物を元気に育てましょう。
◆「それぞれの培養土の違い」については、こちらの記事でくわしくご紹介しています。
・記事「「観葉植物の土」・「花・野菜の土」・「多肉植物の土」の違いは?」
初心者は市販の「観葉植物の培養土」を選びましょう
初心者の方は、市販の「観葉植物の培養土」を選びましょう。
最近はホームセンターや園芸店のほかに、ダイソーなど100均でも、観葉植物の培養土が販売されています。
市販の「観葉植物の培養土」は、「排水性・保水性・通気性・保肥性」の4条件が、「観葉植物用」に調整済み。
とても育てやすくなっています。
そして慣れてきたら、市販の培養土に「改良用土」を加えて使ってみてください。
植物の品種や置き場によって、水はけをよくしたいならパーライトを、水持ちをよくしたいならバーミキュライトを1割ほど加え、混ぜ合わせて使います。
さらに慣れたなら、後述するように基本用土・改良用土を使用して、イチから自分で配合すると、より園芸を楽しめますよ。
市販の観葉植物の培養土の「失敗しない選び方」
現在では、市販の観葉植物の培養土はたくさんの種類が販売されています。
そこで「失敗しない選び方」として、次の点を確認しましょう。
〈購入時に確認すること〉
・原料や製造メーカー、連絡先がしっかり記載されている
・袋のなかに藻やカビが生えていないもの、水滴がついていない
・袋のなかをみて、粒が大きすぎないず小さすぎないもの
〈購入後に確認すること(次のような培養土は、もう買わないほうが良いです)〉
・みじん(細かい土)が多い
・樹皮などが原形のまま入っている ※1
・粒の大きさがバラバラ ※2
※1:下画像のように、原形のままなものは「未熟なたい肥」ということ。
「微生物のエサ」になるには、腐葉土は完熟している必要があり、未熟なものは役に立ちません。
※2:「粒の大きさ」が、できるだけ揃っているのが品質の良い土です。
こちら↓のようにバラバラだと、土が均一に乾かず、根腐れが発生する可能性があります。
「誰にとっても完璧」な観葉植物の培養土はありません
この記事の最初に「おすすめ培養土」を載せましたが、1つにはしぼっていません。
それは「この製品さえ使えば、誰が使っても、すべての観葉植物が問題なく育つ」という、「誰にとっても完璧」な培養土はないからです。
たとえば「団粒構造が良い」と言っても、ゴールデン粒状培養土はつぶが大きいため、「小さな植物」には向きません。
「元肥」が入った土は育ちも良くなりますが、肥料を必要としない植物だと育ちが悪くなることも。
土をゴミとして捨てる必要がないなら、「すてられる土」の必要はありません。
あなたの住んでいる環境や育てている植物にあった培養土を、はじめは2Lなど小容量で購入する。そして実際に鉢土にしてみて、そのなかでピッタリくる培養土を、ずっと使ってみてください。
【中級者向け】植物の特性にあわせた土の配合方法
次に中級者の方向けとして、植物の特性にあわせた土の配合方法をご紹介します。
観葉植物の特性にあわせた土の配合:保水性と排水性を両立
観葉植物は、土に根をはって、体を支え、水分や養分を吸収します。
鉢植えの観葉植物には、鉢の土が生活の場。
土にはさまざまな種類がありますが、一種類で優れた土の条件をすべて満たすのは難しいです。
そのため、使用する土は、その植物の特性に合わせて、いくつかの土を混ぜて使います。
そして自分で用土を配合すれば、育てる観葉植物に最適な土質に整えることが可能になります。
次項で説明する「基本用土」をベースに、「改良用土」を混ぜて自分なりの用土を作ってみましょう。
配合のベースとなる「基本用土」
鉢土のベースとなるのが「基本用土」です。
赤玉土
一般的な園芸用土で、排水性や通気性がよいことが特徴です。赤玉を粒の大きさごとにふるい分けたもので、大粒・中粒・小粒があります。
鹿沼土
栃木県鹿沼市で多く採れる、多孔質の火山灰土。保水性、通気性に優れ、有機質を含まない酸性土です。
プラスして使用する「改良用土」
基本用土にプラスして使うのが「改良用土」です。
腐葉土
落ち葉を発酵させたもので、保水力や排水性、通気性がよい土です。
ピートモス
湿地の水ゴケが堆積発酵したもの。自重の10~20倍も水を吸うので、保水性と保肥性がアップします。
バーミキュライト
ひる石を高温処理したものです。たいへん軽く、保水性、保肥性がよいことが特徴。
無菌のため、挿し木用土としても使われます。
パーライト
真珠岩を細かく砕き、高温高圧処理をしたもの。排水性、通気性がありますが、保水性や保肥性はありません。
水ゴケ
湿地などに生えているコケ類で、保水性や排水性、通気性がよいことが特徴。
十分に水を吸わせてから使用します。
ココヤシチップ
ココヤシをブロック状にしたものです。保水性や排水性、通気性がよく、水ゴケと同じように使われます。
マルチング材(土の表面が乾かないよう敷きつめる材料)として使われることもあります。
観葉植物の土についてのQ&A
記事の最後に、観葉植物の土についてのQ&Aをご紹介します。
Q1.観葉植物の植え替えで出た古い土は、また使ってもいい?
観葉植物の植え替えで出た古い土は、団粒構造が壊れており、肥料成分も減少しています。
つまり「植物が育つ理想的な土」ではないため、植え替えなどには使わないようにしましょう。
ですが、土のリサイクルは可能で、手順はつぎのとおり。
- 手順①:土から古い根などを取り除く
- 手順②:ふるいにかけて「みじん」を取り除く
- 手順③:ビニール袋に平らになるように土を入れ、直射日光に1週間ほどあてる(これで土の中の害虫や菌が減少します)
- 手順④:土のリサイクル材を混ぜて、団粒構造と肥料成分を復活させる
リサイクル材の成分は、製品によってさまざまですが、有機物や微量要素、土を団粒化する成分などが入っています。
◆「観葉植物の植え替えのやり方と時期」についてくわしくは、こちらの記事で解説しています。
・記事「【観葉植物の植え替え】やり方とポイントをわかりやすく解説!」
・記事「【観葉植物の植え替え】最適な時期はいつ?植え替えのサインや冬の対応も紹介」
Q2.野菜の土・花の土・多肉植物の土との違いは?
初心者の方が、ホームセンターなどで観葉植物の培養土を買おうとして間違ってしまうのが、「野菜・花・多肉植物の土」ですね。(私もつい先日買ったのが花と野菜の土でした)
それぞれが、野菜・花・多肉植物を育てるのに最適な土壌に配合されています。観葉植物の土と比べると、次のような違いがあります。
- 野菜の土:保水性と保肥性が高い用土
- 花の土:やや保水性が高い用土
- 多肉植物の土:排水性が高い用土
◆こちらの記事では、観葉植物の土と花・野菜の土、多肉植物の違いをご説明しています。
Q3.土の表面に白いカビが生えたときは?
梅雨の季節など湿気が高い時期には、土の表面に白いカビが生えることがあります。カビに気づいたら、すぐにスコップで表土ごとかき取ってください。
そして新しい土を同じ分量だけ、足しておきます。
再発防止策としては、できるだけ換気を行って、通風をよくすることです。また、枯れ葉などを土の表面に残すこともカビの原因になりますので、表土はキレイにしておきましょう。
◆観葉植物の育て方全般でわからないことがあるときは、こちらの記事をご覧ください。
・記事「【観葉植物Q&A】育て方全般の疑問・わからないコトにお答えします」
Q4.土を使わない観葉植物もある?
観葉植物のなかには、”土を使わないで育てる”という方法もあります。
たとえば、次のような方法です。
- ハイドロカルチャー
- セラミス
- Table Plants(テーブルプランツ)
- パフカル
また、上記は「土の代わりに使うモノ」でしたが、土自体を使わない”エアプランツ(チランジア)”も。
土とちがって虫がわきにくく、清潔感があるので、台所などにも置くことができます。
くわしくは、記事「土を使わない観葉植物はある?」をご覧ください。
まとめ:理想的な土で元気な観葉植物を育てよう
この記事では、観葉植物におすすめの土や「団粒構造」の特徴、理想的な土の条件、培養土の選び方まで解説しました。
観葉植物を元気に育てるためにも、土の重要性を知って、よい培養土を選びましょう。
「↑各通販サイトのくわしい情報や、他のおすすめサイトを知りたい!」ときは、記事「観葉植物のおすすめ通販サイト」・「フェイクグリーンのおすすめ通販サイト」をどうぞ!
”毎日の作業風景”をご紹介しているAmebaブログ↓も、ぜひご覧ください。
◆「観葉植物の情報全般」は、記事「観葉植物まとめ」にまとめています。
参考文献
この記事では、下記の書籍などを参考にさせて頂いております。
- 書籍 吉田 健一・監修『すぐに使える!土・肥料・鉢』NHK出版
- 書籍 渡辺 均・監修『園芸作業の便利帳』学研パブリッシング
- リーフレット 『HYPONEX GARDEN BOOK2021』