観葉植物初心者の方でも、育てることに慣れてきたら必須となる道具が鋏(ハサミ)です。
じつは、品質のよくないものや、用途にあわないはさみを使うと、植物が傷んでしまうことはご存知ですか?
そこでこの記事では、初心者の方に向けて、観葉植物の剪定におすすめのハサミや選び方、お手入れ方法も解説。
また後半では、園芸やガーデニングで使うハサミ・刃物までご紹介します。
ちなみに「剪定」とは、植物の枝や葉などを切り落とす作業のこと。
次のような目的で行われます。
・樹形を保つため
・病害虫を減らすため
・葉の量をへらして、生長をゆっくりにするため
「植物を元気に育てるために、ハサミのことをよく知りたい」というときは、ぜひご覧ください。
観葉植物の剪定におすすめのはさみを紹介
まずは、観葉植物の剪定におすすめの鋏(はさみ)をご紹介します。
なお、鋏(はさみ)の種類については、後述しています。
◆ハサミのほかに「観葉植物を育てるときにそろえてほしい道具」は、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「【観葉植物】室内で育てるときに必要なもの!」
園芸バサミ(クラフトバサミ)のおすすめ品
園芸バサミのおすすめ①:クラフトチョキ(アルスコーポレーション)
園芸バサミ(クラフトバサミ)のおすすめ品1つめは、アルスコーポレーションの「クラフトチョキ」です。
使いやすく丈夫で、しかも安い!
ハサミの特徴は、こちら↓の公式動画で紹介されています。
植物を育て始めた人は、まずクラフトチョキを購入しましょう。
茎や葉の剪定だけでなく、麻ひも・ビニールひものカットなど、だいたいの作業はこれ1本でこなせてしまいます。
ちなみに僕が今使っているのは、こちら↓の「クラフトチョキ アルスヌーボー」。
クラフトチョキよりちょっとお高いですが、ステンレス鋼でサビに強く、枝もギザ刃でスムーズにカット可能です。
園芸バサミのおすすめ②:ハンドクリエーション(坂源)
園芸バサミ(クラフトバサミ)のおすすめ品2つめは、坂源の「ハンドクリエーション」です。
「グッドデザイン賞」を受賞した、ほかにはない独特のデザインが人気のハサミ。
刃先が短く、全体的にコンパクトなので、軽量・小型で使いやすい。
フッ素樹脂加工でサビにくく、ハンドルの末端まで鉄を使用しているため丈夫です。
可愛いらしいデザインで、部屋に出しっぱなしでもOKですね。もちろん刃先には注意しましょう。
剪定バサミのおすすめ品
剪定バサミのおすすめ品は、NHK出版の雑誌『趣味の園芸』でも紹介された「楽な剪定バサミ」です。
腱鞘炎で悩む果樹農家のために生まれました。
ラクによく切れるので、植物にも負担がかかりません。
替刃式ですので、切れ味の良さはずっと維持できます。
◆「植物や道具を通販サイトで探したい」ときは、こちらの記事でおすすめサイトをご紹介しています。
・記事「観葉植物のおすすめ人気通販サイトをご紹介!」
・記事「園芸のおすすめ人気通販サイトまとめ!」
観葉植物の剪定に使うはさみの選び方
次に、観葉植物の剪定に使う鋏(はさみ)の選び方をご紹介します。
[観葉植物用の選び方①]まず「園芸バサミ」次に「剪定ばさみ」をそろえる
観葉植物用の選び方ひとつめは、”まず「園芸バサミ(クラフトバサミ)」、次に必要なら「剪定ばさみ」をそろえる”です。
観葉植物では、ガーデニングや園芸のように太い木・枝を剪定することは、まずありません。
ですので、ほとんどの作業は「園芸バサミ(クラフトバサミ)」があればOK。
あとは、こちら↓のように株が大きく育ったり、少し大きめの植物を購入したなどで「園芸バサミでは一発で切り落とせない」ときに「剪定ばさみ」を購入しましょう。
◆「大きいサイズの観葉植物のおすすめ品や選び方」は、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「【大型の観葉植物】おすすめはコチラ!」
[観葉植物用の選び方②]サビにくい製品を選ぶ
「園芸バサミ(クラフトバサミ)」や「剪定ばさみ」を選ぶときには、サビにくい製品を選びましょう。
切れるハサミであっても、すぐにサビて切れなくなっては意味がありません。
ハサミの「切れ味が長く続く」ことは大切です。
たとえば、アルスコーポレーションの「クラフトチョキ アルスヌーボー」は、ステンレス鋼のためサビに強いとされています。
サビにくいハサミは、値段がちょっと高いのですが、そのぶん長く使えます。
結果的には「コスパ良し」となるので、観葉植物の育成に慣れてきたら、サビにくい製品を選んでみてください。
なぜ観葉植物の剪定に「専用のハサミ」が必要なの?
この記事では、観葉植物の剪定に「園芸バサミ」や「剪定ばさみ」といった「専用のはさみ」をすすめていますが、これは植物を元気に育てるために必要なことです。
剪定など「植物のことを切る作業」は、植物を傷つける行為。
それでも次のことを守れば、植物のダメージを最小限にすることができます。
- 作業にあった刃物を使う
- 清潔で切れ味がよい刃物を使う
- 使ったあとは必ず汚れを落としてから保管する
上記1・2のポイントを満たすのが専用ハサミです。
いいハサミを選んで、植物を元気に育てましょう。
観葉植物の剪定に使うハサミのお手入れ方法
次に、観葉植物の剪定に使うハサミのお手入れ方法をご紹介します。
鋏(はさみ)は汚れを落としてシリコンスプレーを吹きかけて保管
ガーデニング・観葉植物・園芸に使った鋏(はさみ)は使用後、乾いた布で汚れや脂を落とします。
その後、シリコンスプレーを刃の部分に吹きかけて、ティッシュなどで拭き上げましょう。
あとは水気のない場所で保管すればOKです。
刃の汚れを落とさないと…
刃の汚れを落とさずそのままにしていると、剪定時に植物の切り口に汚れがついて、病気になってしまうこともあります。
鋏(はさみ)は一回使うごとに、清潔にしておきましょう。
刃を研ぐことはできる?
多くのハサミの刃は表面処理されているため、本格的に研ぐことはできません。
ただし、シャープナーをつかって、刃先をやや鋭利に戻すことはできます。
全体が鋼でできている植木バサミなどは、製造元か専門の研ぎ師にお願いしましょう。
観葉植物・園芸・ガーデニングに使う鋏(はさみ)の種類
次に、観葉植物・園芸・ガーデニングに使う鋏(はさみ)の種類をご紹介します。
最初の1本はまずこれ!:園芸バサミ(クラフトバサミ)の特徴
ガーデニング・観葉植物・園芸をこれからはじめるとき、最初のハサミとして準備してほしいのが園芸バサミ(クラフトバサミ)です。
「室内で観葉植物しか育てていない」という方なら、この1本だけでもOKというほど万能。
草花の切り戻しや摘芯にはもちろん、直径5mmほどの枝を切ることもできます。
さらにヒモやワイヤー、ビニールシートまで切ることが可能。
軽くて丈夫でさびにくいタイプが多いため、ひとつ持っておけば、さまざまなシーンで長く使えます。
植木バサミ(木バサミ)の特徴
草花の茎や、細い枝を切るための道具が植木バサミです。
「木バサミ」ともよばれます。
庭木や草花から盆栽まで、幅広く使えることが特徴。
「刃が自然に開くためのバネ」がないタイプが基本です。
素材はいくつかありますが、研げる鋼製か、さびにくいステンレス製がおすすめです。
剪定バサミの特徴
剪定とは、「将来の樹の形を考えて、いらない枝を切っていく作業」のこと。
その剪定作業にぴったりなのが剪定バサミです。
バラや庭木がある方は持っておきたい道具。
構造により、次の3つの種類があります。
- バイパスタイプ:半月型の切り刃と三日月型の受け刃が交差して枝を切る
- アンビルタイプ:切り刃と受け刃が、包丁とまな板のような役割となり、枝を押し切る
- ラチェットタイプ:テコの原理を応用したギア(ラチェット)で、ハンドルを数回動かして切る
細かい剪定が多い場合はバイパスタイプを、やや太い枝も切る場合にはアンビルタイプを選びましょう。
高枝切りバサミの特徴
高い場所の枝を切る、果実を収穫するための高枝切りバサミ。
テレビの通販番組でお馴染みですね。
大きく分けると、次の2種類があります。
①高枝採取バサミ
- ハンドルをにぎることで、先についた小型の剪定バサミが枝を切る
- 切り取った枝をはさむ機能をもっていることが多い
- 現在ホームセンターなどで売られているものは、このタイプが多い
②ロープ式の高枝切りバサミ
- こちらが本来の高枝切りバサミ
- 枝の上から、逆U字の受け刃をかけ、ロープを引いて押し上げて切断する
- 高枝採取バサミよりも太い枝を切ることができる
太枝切り鋏の特徴
剪定バサミの刃の部分を大きく頑丈にして、長い柄をつけたものが太枝切りバサミです。
高いところの太い枝を切ることに適しています。
長い柄によるテコの原理で、直径30mmの枝も気持ちよく切断可能。
剪定ノコギリよりも、ラクに切ることができます。
太枝切りバサミにも次のような種類があります。
- バイパスタイプ:2枚の刃が交差するタイプ
- アンビルタイプ:片刃で切るタイプ。構造上、丈夫です
- ラチェットタイプ:アンビルタイプにラチェット機構をつけたタイプ。力があまりなくても太い枝が切りやすい
刈込バサミの特徴
植木や生け垣を刈り込むことを目的とし、薄い刃をもつのが刈込ばさみです。
花壇のヘッジ(緑)やトピアロリーの刈り込みにも使えます。
ただし、刃先が薄いため、太い枝を切ると刃こぼれしてしまうので注意が必要。
芝刈りには、芝刈り用の刈り込みバサミもあります。
刃の角度が変えられるタイプもあるため、必要に応じて探してみましょう。
園芸・ガーデニングにおすすめのハサミを紹介
園芸・ガーデニングにおすすめのハサミは以下のとおりです。
植木バサミ(木バサミ)のおすすめ品
植木バサミ(木バサミ)のおすすめ品は、「花酔 刃長大久保鋏」です。
刃物の産地である新潟県三条市で、専門鍛冶によって製造されました。
切り口がなめらかなので、樹木を痛めません。
日立安来鋼の刃部は、ねばり強く、耐久性にも優れます。
剪定だけでなく、縄切りなどの作業にも使用可能です。
太枝切りバサミのおすすめ品
太枝切りバサミのおすすめ品は、ラチェットタイプの太枝切り鋏である「フィスカース PowerGear」。
一般的な太枝切り鋏の1/3ほどの力で、枝を切断できます。
グラスファイバー強化ポリプロピレン製のグリップで、とても軽くて握りやすいのも特徴。
切れ味と使いやすさを兼ね備えています。
刈込バサミのおすすめ品
刈込バサミのおすすめ品は、「アルスコーポレーション 替刃式軽量刈込鋏」。
アルミダイカストをグリップに使ったことで、軽量となった刈込鋏です。
ハードクローム仕上げで、さびにくく摩耗に強い刃を使用。
さらに替刃式ですので、リーズナブルに切れ味を保つことができます。
園芸・ガーデニングに使う鋏(はさみ)の選び方
次に、ガーデニング・観葉植物・園芸向けハサミの選び方を2つご紹介します。
[園芸用ハサミの選び方①]切るものの種類にあわせて選ぶ
まずは「何を切るか」で選びます。
用途ごとに適したハサミはちがうもの。
用途にあっていないハサミで作業すると、まともに切れず植物を傷めたり、道具を傷めたりします。
最初にクラフトバサミを購入し、その後は用途に合わせたハサミをそろえていくようにしましょう。
- 枝を切る:剪定バサミ、太枝切りバサミ
- 草花を切る:クラフトバサミ、園芸バサミ、植木バサミ
- ヒモを切る:クラフトバサミ、園芸バサミ
- 盆栽の手入れをする:クラフトバサミ、園芸バサミ、植木バサミ
- 生け垣をキレイにする:刈り込みバサミ
- バラ栽培をする:剪定バサミ
- 高い場所の枝を切る:高枝切りバサミ
[園芸用ハサミの選び方②]切る枝の太さにあわせて選ぶ
枝を切ることが多いなら、切る枝の太さによってハサミを選びます。
無理して太い枝を切ろうとすると、木とハサミの両方が傷んでしまいますので、ピッタリのものを選びましょう。
- ~直径3mm:刈り込みバサミ
- ~直径5mm:クラフトバサミ、園芸バサミ、高枝採取バサミ
- ~直径8mm:木バサミ
- ~直径15mm:ロープ式の高枝切りバサミ
- ~直径20mm:剪定バサミ
- ~直径30mm:太枝切りバサミ
ただし、こちらはあくまで目安です。
各ハサミのなかでも、種類によって切れる太さがちがうこともあります。
購入時に、製品の説明書きなどでよく確認してください。
ダイソーなど100均(100円ショップ)の園芸バサミは使える?
ダイソーなど100均(100円ショップ)の園芸バサミは、当たりハズレの幅が大きいためおすすめしません。
僕が以前購入したものは、細い枝を何度か切ったところでカシメが緩んでしまいました。でも知り合いは、ダイソーの園芸用ハサミを何年も使っているそうです。
切れ味が悪いハサミで切ると、植物が傷みます。
この記事でご紹介しているクラフトバサミなどは、丈夫で切れ味がよく、さびにくいものばかり。
2,000円ほどでいいものが買えますので、そちらをひとつ持っておきましょう。
Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの「園芸用ハサミ」人気ランキング
Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの「園芸用はさみ」人気ランキングは、こちらからご覧いただけます。
「どの園芸用はさみがいいか」を選ぶときの参考にどうぞ。
・Amazon:園芸用はさみ の 売れ筋ランキング
・楽天市場:園芸用はさみランキング
・Yahoo!ショッピング:「剪定ばさみ」のランキング
まとめ:おすすめの鋏(はさみ)で失敗しない観葉植物の剪定を
この記事では、初心者の方に向けて、観葉植物の剪定におすすめのハサミや選び方、お手入れ方法も解説。
また後半では、園芸やガーデニングで使うハサミ・刃物までご紹介しました。
いいハサミを選べば、作業がずいぶんラクになります。
ぜひおすすめのハサミを使って、失敗しない観葉植物の剪定を行いましょう。
「↑各通販サイトのくわしい情報や、他のおすすめサイトを知りたい!」ときは、記事「観葉植物のおすすめ通販サイト」・「フェイクグリーンのおすすめ通販サイト」をどうぞ!
”毎日の作業風景”をご紹介しているAmebaブログ↓も、ぜひご覧ください。
◆「観葉植物の情報全般」は、記事「観葉植物まとめ」にまとめています。
参考文献
この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。
- 書籍 園芸文化協会・監修『園芸道具の選び方・使い方「コツ」の科学』講談社