お店で観葉植物を買ったら「葉水をするといいですよ」って言われたけど、葉水って何?どんなイイことがあるの?
こういう疑問をお持ちの方はいませんか?
「葉水」という言葉は聞いたことはあっても、何が良くて、どう与えればいいのか、くわしく知っている方は少ないかと思います。
そこでこの記事では、効果的な”観葉植物への葉水”のやり方や葉水の注意点、疑問にもお答えしていきます。
「葉水のやり方を知って、観葉植物を元気に育てたい!」というときは、ぜひご覧ください。
”観葉植物への葉水”の基本知識
まずは、”観葉植物への葉水”の基本知識をご紹介します。
葉水とは?
葉水とは、霧吹きやジョーロなどで、土ではなく葉を濡らしてやること。
「シリンジ」や「葉面散水」とも呼ばれます。
多湿な環境が原生地であることが多い観葉植物にとって、湿度は60%以上は欲しいところ。
ですが、人間が暮らす室内は乾燥気味で、冷暖房機器をつけると湿度が30%ほどになることも。
葉水を与えることで湿度を保ち、観葉植物を元気に育てることができます。
観葉植物に葉水はなぜ必要?葉水の効果
葉水には、次のような効果があります。
- 空中湿度を高めて、乾燥を抑える
- 葉の表面についたホコリを取り除く
- ハダニの発生を抑える
- 夏の高温による植物の温度上昇を防ぐ
葉水は、「水やり」のように「観葉植物が育つのに必須」ではないものの、与えれば植物を元気にできます。
とくに、アジアンタムなどの「シダ類」は、もともと湿地で育つ植物なので、湿気が大好き。
できるだけ、毎日の葉水を与えましょう。
観葉植物を元気で丈夫に育てるなら、葉水は必要!ぜひ、やり方を覚えましょう。
葉水がいる・いらない観葉植物
まず、観葉植物を「乾燥への耐性」で分けると、大きく次の3つになります。
- 乾燥に弱い(「プテリス」といったシダ植物など)
:鉢土の表面が乾き始めたら水を与える - 乾燥に強い(「ペペロミア」といった多肉質の植物など)
:鉢土の表面が乾いてから2~3日後に水を与える - 普通(上記1・2以外の植物)
:鉢土の表面が乾き、鉢を持ち上げて軽いと感じたら水を与える
このなかで、葉水がいるのは、「1.乾燥に弱い」と「3.普通」の観葉植物です。
湿地や多湿な森などに生息する種類のため、葉水で湿度を高めるのが効果的。
一方、「2.乾燥に強い」観葉植物には、葉水はいりません。
乾燥した地域が原生地で湿気に慣れておらず、葉水を与えると病気につながることもあるので、注意してください。
効果的な”観葉植物への葉水”のやり方
次に、効果的な”観葉植物への葉水”のやり方をご紹介します。
効果的な”観葉植物への葉水”のやり方:用途に合わせて与え方を変える
効果的な”観葉植物への葉水”のやり方は、「用途に合わせて与え方を変える」です。
前述した「葉水の効果」のなかで、「どの用途のために葉水を与えるか」によって、頻度(タイミング)・量を変えてみましょう。
くわしいやり方は、次項からご紹介していきます。
”空中湿度を高める”・”ハダニの発生を抑える”ための観葉植物への葉水の効果的なやり方
”空中湿度を高める”・”ハダニの発生を抑える”ための観葉植物への葉水の効果的なやり方は、こちら↓です。
”空中湿度を高める”・”ハダニの発生を抑える”ための観葉植物への葉水の効果的なやり方
- 葉水の頻度(タイミング)
→毎日与えてOK。とくに冷暖房機器を使って「湿度が下がっている」ときは、1日2~3回ほど与えてみましょう - 葉水の量
→全体が軽く湿るくらいでOK - 葉水を与える箇所
→葉の表・裏。そのほか、茎や幹にも散布する
空中湿度を上げればいいので、軽く湿るくらいでOKです。
”ホコリを取り除く”ための観葉植物への葉水の効果的なやり方
”ホコリを取り除く”ための観葉植物への葉水の効果的なやり方
- 葉水の頻度(タイミング)
→葉の汚れが気になったら行う - 葉水の量
→水が滴るくらい与える。できれば浴室に持っていき、シャワーで行うと効果的 - 葉水を与える箇所
→ホコリや汚れが気になる箇所すべて
水が床に落ちてしまうので、ぜひ浴室で行いましょう。水やりも一緒に行えて、観葉植物が元気になりますよ。
”植物の温度上昇を防ぐ”ための観葉植物への葉水の効果的なやり方
”植物の温度上昇を防ぐ”ための観葉植物への葉水の効果的なやり方
- 葉水の頻度(タイミング)
→夏で気温が高いときに行う - 葉水の量
→全体が軽く湿るくらいでOK - 葉水を与える箇所
→葉の表・裏。そのほか、茎や幹にも散布する
気温が高いときは、「風通しの良さ」も必要。窓を開け換気するか、サーキュレーターを使いましょう。
”観葉植物への葉水”での注意点
次に、”観葉植物への葉水”での注意点をご紹介します。
〈注意点①〉冬の葉水は日中だけ行う
”観葉植物への葉水”での注意点1つめは、「冬の葉水は日中だけ行う」です。
夕方以降に葉水を行うと、夜まで水分が残ってしまういます。
すると夜間の気温が下がる時間帯に、葉や茎についた水分で温度が下がり、株全体が寒さで痛むことも。
日中に葉水をして、夜にはある程度乾いているようにしましょう。
ちなみに、冬の水やりも、夕方以降は禁止です。
水やりはできるだけ、1年をとおして最適な”朝”に与えてください。
◆「観葉植物の冬の管理のポイント」、「水やりに最適な時間帯」は、こちらの記事でくわしくご紹介しています。
・記事「【観葉植物】冬の管理のポイントを紹介!寒さで枯らさない水やり・置き場所も」
・記事「観葉植物への水やりに最適な時間帯は?適さない時間帯やポイントも解説」
〈注意点②〉観葉植物は”葉水のみ”で育てることはできない
以前、
観葉植物には葉水をあげれば、土に水をあげなくても大丈夫でしょ?
と聞かれたことがありますが、観葉植物は”葉水のみ”で育てることはできません。
植物は、葉からも水を吸うことができますが、根からの吸い上げに比べるとだいぶ少量です。
土に水やりし、根から水を吸い上げることは欠かせません。
葉水の役割は、前述のとおりメインは「湿度を上げる」こと。
「何のために与えるのか?」を理解することで、正しい管理を行いましょう。
◆「観葉植物への水やり方法」についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「観葉植物の水やりにおすすめの道具はコチラ!水やり方法も紹介」
”観葉植物への葉水”についての疑問にお答えします
記事の最後に、”観葉植物への葉水”についての疑問にお答えします。
〈疑問①〉”観葉植物への葉水”で床が濡れてしまうのを防ぐ方法は?
霧吹きやスプレーで葉水を与えると、部屋の床が濡れちゃう…。濡れるのを防ぐ方法はないの?
葉水で床が濡れることへの対策には、次の2つがあります。
対策1.窓辺や風呂場でなど場所を変えて行う
対策の1つめは、「窓辺や風呂場でなど場所を変えて行う」です。
僕はいつも、窓を開けて、外に向かって葉水をしています。手はビッチョビチョになりますけどね…。
とくに、「ホコリを取り除くための葉水」なら、浴室やベランダなどでしっかり葉水することがオススメ。
対策2.粒が細かい霧吹きを使う
対策の2つめは、「粒が細かい霧吹きを使う」です。
たとえば「マルハチ産業 マイクロンスプレー」では、一般的な霧吹きより細かい「ミクロの霧」が噴射されます。
多少は床に細かい水滴はつきますが、通常の霧吹きよりはすぐに乾きます。
ただしこちらは、「空中湿度を高める」ための軽い葉水ならぴったりですが、「ホコリを取り除く」ための葉水としては物足りない噴霧量。
後述する「ホコリ取り除き用」霧吹きもそろえるとバッチリです。
〈疑問②〉葉水で葉が汚れたときはどうすればいい?
霧吹きで毎日葉水を与えてたら、葉に白い汚れがついてきた…。この汚れはどうすればいいの?
葉水を与えていると、葉に白い汚れがついてきます。
「濡れたタオルで葉を拭く」という方法もありますが、1枚1枚拭くのは大変…。
そんなときにおすすめなのが、葉面洗浄剤の「リーフクリン」です。
葉にスプレーするだけで汚れを落とし、さらにホコリもつきにくくしてくれます。
↓
園芸店でも使われる「プロ御用達」の一品。
ぜひ使ってみてください。
◆「リーフクリンの特徴と使い方」は、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「葉っぱが汚れた観葉植物にはリーフクリン!使い方や注意点をご紹介」
〈疑問③〉葉水に使う霧吹き・スプレーのおすすめは?
ホームセンターに行くと霧吹き・スプレーがたくさんあるけれど、観葉植物への葉水をするのにおすすめの霧吹きはどれ?
ここでは、僕が実際に使っている2つの霧吹き・スプレーをおすすめします。
おすすめ1:マルハチ産業 ザ・スプレー ロングノズル付
おすすめの1つめは、「マルハチ産業 ザ・スプレー ロングノズル付」。
ロングノズルがついているので、葉が茂っている箇所にもスプレーしやすくなっています。
しかもノズルの先は上向きにできるので、葉の裏にも葉水がしやすい!
さらに「振り子ホース」なので、本体を逆さまにしてもスプレーが可能です。
おすすめ2:マルハチ産業 マイクロンスプレー
2つめは、前述の「マルハチ産業 マイクロンスプレー」。
こちらは「空中湿度を高める」ための葉水におすすめ。
5回のレバー操作で、10秒間ミストが出続けるので、観葉植物をたくさん育てている人にもおすすめです。
〈疑問④〉「観葉植物に葉水はいらない」という人もいるけど本当?
ウェブサイトを見てたら「観葉植物に葉水はいらない」という人もいるんだけど、本当なの?
最近は「観葉植物に葉水はいらない」という人もいます。
その理由をみると「霧吹きで湿度を上げても、すぐにもとの湿度に戻ってしまうから」というもの。
ですが僕個人としては、葉水は必要だと思っています。
たしかに湿度は戻ってしまうでしょうが、そのあいだは高い湿度が保たれています。
また前述のとおり、葉水には「湿度を上げる」以外にも「ホコリを取り除く」などの効果が。
葉水は「水やり」とは違い、「絶対にしないと枯れてしまう」というものではありません。
ですが葉水を行えば、観葉植物は元気になります。
少しずつ手をかけてあげることで、観葉植物への愛着もより湧いてきますよ。
まとめ:効果的な”観葉植物への葉水”のやり方を実践して、元気に育てましょう
この記事では、効果的な”観葉植物への葉水”のやり方や葉水の注意点、疑問にもお答えしてきました。
ぜひ記事を参考に、効果的な”観葉植物への葉水”のやり方を実践して、元気に育てましょう。
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参考文献
この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。
- 書籍 上田 善弘・著『園芸「コツ」の科学』講談社
- 書籍 NHK出版・編『とことん答える800問!園芸なんでもQ&A』NHK出版