いつも”気づいたとき”に観葉植物の水やりをしてるけど、最適な時間帯ってあるの?あと、水やりしちゃいけない時間帯はある?
こんな疑問をお持ちの方はいませんか?
水やりは”観葉植物を育てるうえでの基本”ですが、とても奥が深いので、いろんな疑問があるかと思います。
そこでこの記事では、観葉植物への水やりに最適な時間帯やその理由、水やりに良くない時間帯、水やりのポイントも解説していきます。
「水やりに最適な時間帯を知って、観葉植物を元気に育てたい!」ときには、ぜひご覧ください。
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観葉植物への水やりに最適な時間帯は?
まずは、「観葉植物への水やりに最適な時間帯はいつなのか?」を解説します。
観葉植物への水やりに最適な時間帯は、1年を通して”朝”
観葉植物への水やりに最適な時間帯は、1年を通して”朝”です。
春・夏・秋・冬すべての季節で、できるだけ朝の水やりを心がけましょう。
観葉植物への”朝の水やり”が最適な理由
観葉植物への”朝の水やり”が最適な理由は、次の2点です。
理由①:水やりは”植物が活動するとき”に与えるものだから
朝の水やりがおすすめな理由の1つめは、「水やりは”植物が活動するとき”に与えるものだから」です。
植物は太陽がのぼると、水・二酸化炭素から栄養分・酸素をつくる「光合成」を行います。
このとき、葉の裏にある気孔を開いて呼吸を開始。
呼吸をすると蒸散(根から水を吸い上げ、水蒸気として外に出すこと)が行われるため、水が必要になります。
このように、原則として植物に水が必要なのは”光合成を行う日中”なので、朝に水やりすれば必要量は満たされるというわけです。
夜は蒸散作用が減少するので、水はほぼ必要ありません。
朝に水やりすれば、日中に水が吸い上げられ、夜には鉢土の水分量が減っているので過湿になりにくいというメリットもあります。
理由②:夜に水やりすると徒長しやすくなるから
朝の水やりがおすすめな理由の2つめは、「夜に水やりすると徒長しやすくなるから」です。
徒長とは、こちら↓のように、茎が間延びしてヒョロヒョロと伸びてしまう状態。
夜の水やりで徒長してしまうメカニズムは次のとおり。
- 植物は、昼に光合成でつくり出した糖を、夜のあいだに必要なところに移動させる
- 移動したところの”糖の濃度”が高くなると、浸透圧も高くなり、水が引っ張られる
- 水が引っ張られるので、その箇所が肥大伸長する
- 夜によぶんな水があるほど、引っ張られる水も多いため、茎が徒長しやすくなる
「夜に水は必要ない」と覚えておきましょう。
ちなみに以前働いていた育苗会社では、苗の徒長を防ぐため、夕方の帰宅時までに「苗にほぼ水分がない状態」に調整していました。
観葉植物への水やり時間帯は”いつも同じ”がいい?
「水やりの時間帯が毎回違うと、植物にはストレスだ」って聞いたよ。いつも同じ時間帯がいいの?
正直、植物の気持ちはわかりませんし、そういったデータは見たことがありません。
ですが、水やりする人間側の都合として、次のようなルーチンにするのが一番ラクです。
- 毎朝、観葉植物を観察する
↓ - 土が乾いていれば水やりする。病気や虫にもすぐに気づくことができる
「毎朝」がポイントで、これなら「土が乾いているのに気づかなかった」ことがなくなります。
毎朝、テレビでニュースを観るよりは、植物を見ながらご飯を食べるほうが健康的。
ぜひ習慣にしてみてください。
観葉植物への水やりに良くない時間帯はある?
次に、「観葉植物への水やりに良くない時間帯はあるのか?」についてご紹介します。
春~秋でも”夜の水やり”は良くないです
観葉植物への水やりに良くない時間帯は、夜です。
その理由は前述のとおりで”徒長しやすくなる”ため。
夜の水やりは、人間で言えば「寝る直前にご飯を食べさせる」ようなものです。
”太る・病気にかかりやすい”など、デメリットしかありません。
植物も、欲しがってないのに無理やり水を与えられたら、やはりストレスでしょう。
植物を健康に丈夫に育てるためにも、夜の水やりは避けましょう。
夜は早く寝る。そして朝起きて水やりする。これなら人間も植物も健康になって、一石二鳥です。
冬は夕方以降の水やりは禁止
冬については、夕方以降の観葉植物への水やりは禁止と覚えてください。
”良くない”ではなく”やってはいけない”です。
夕方以降に水やりをしてしまうと、鉢内の水分量がとても多いまま夜になります。
冬は室温が下がるので、水分量が多いと「鉢内の温度も下がる」ことに。
すると温度低下によって根が痛み、最悪の場合枯れてしまいます。
葉水もやはり日中に済ませておかないと、株全体が冷えて痛みますので、気をつけましょう。
◆「観葉植物の冬の管理のポイント」を知りたい方には、こちらの記事もおすすめ!
・記事「【観葉植物】冬の管理のポイントを紹介!寒さで枯らさない水やり・置き場所も」
”夏の日中”には水やりをしないほうが良い?
とくに外で植物を育てていると、よく「”夏の日中”には水やりをしないほうが良い」と聞きますが、これは本当でしょうか?
結論としては「植物にとってはストレスなので、避けたほうが良い」です。
”夏の日中”に水やりをしないほうが良い理由は、次のとおり。
- 夏で気温が上がっているときは、植物内部の温度も上がる
↓ - この状態で水やりすると、水温と植物内部の温度との差が大きいので、植物はストレスを受ける
↓ - ストレスによって細胞が破壊され、植物が傷んでしまう
室内で冷房をつけているなら、傷む可能性も低いため、そこまで気にしなくても大丈夫です。
ただし、「水が切れて、株がしおれてしまっている」ような緊急事態なら、すぐにでも水やりすべき。
以下の手順で水やりしてあげましょう。
- 日陰など、温度が低い場所に鉢を移動する
- 葉や茎を冷やすつもりで、株全体に水やりする
(濃度障害が出てしまうので、液肥は使わないこと!) - 土の温度を下げるため、いつもより多めの量の水やりを土にする
(”鉢底から水が出る”を、3~4回くり返す) - 葉や茎についた水を軽く落とし、風がよくとおる日陰で管理する
葉や茎は多少は傷むでしょうが、”水切れで完全に枯れてしまうよりはマシ”と考えてください。
観葉植物への水やりのポイント
次に、観葉植物への水やりのポイントをご紹介します。
観葉植物への水やりの基本は「鉢土が乾いたらたっぷり与える」
観葉植物への水やりの基本は「鉢土が乾いたらたっぷり与える」です。
よく聞く”まちがったやり方”は、「毎日水やりをする」や「毎週○曜日に水やりをする」など、あげる日を決めてしまっていること。
これでは、「水のあげすぎ」か「水のなさすぎ」で、どちらにしても枯れてしまうでしょう。
観葉植物が枯れる原因の8~9割は「水やりの失敗」です。
正しい水やり方法を知って、植物を元気に育てましょう。
◆「観葉植物の正しい水やり方法」を知りたい方には、こちらの記事がおすすめです。
・記事「観葉植物の水やりにおすすめの道具はコチラ!水やり方法や頻度も紹介」
観葉植物への水やりのタイミングをつかむ方法
前項で「鉢土が乾いたら…」とご紹介しましたが、そうすると、
「乾いたら」というタイミングが良くわからない…。それでいつもテキトーに水やりしちゃう…。
という方が多いかもしれません。
そこで「観葉植物への水やりのタイミングをつかむ方法」はこちらです。
- 「植物の特性」を調べる
- 道具を使って「土の乾き」を確認する
道具として、とくに「サスティー」がおすすめ。
上記の手順についてくわしくは、記事「観葉植物の「水やりのタイミング」をつかむ手順を紹介!」で解説しています。
観葉植物には”葉水”も忘れない!
葉水とは、霧吹きやジョーロなどで、土ではなく葉を濡らしてやること。
観葉植物の多くは、多湿な環境が原生地ですので、葉水を与えてあげましょう。
葉水を与えることで、次の効果が得られます。
- 空中湿度を高めて、乾燥を抑える
- 葉の表面についたホコリを取り除く
- ハダニの発生を抑える
- 夏の高温による植物の温度上昇を防ぐ
ただし、ずっと葉水をしていると、葉っぱに”白い汚れ”がつくことも。
そんなときはリーフクリンを使えば、カンタンに葉をピカピカにできます。
↓
◆「葉水のやり方」・「リーフクリンの使い方」は、こちらの記事でご紹介しています。
・記事「効果的な”観葉植物への葉水”のやり方を紹介!葉水の注意点や疑問にもお答え」
・記事「葉っぱが汚れた観葉植物にはリーフクリン!使い方や注意点をご紹介」
「観葉植物水やり時間」についての疑問にお答えします
記事の最後に、「観葉植物水やり時間」についての疑問にお答えします。
〈疑問①〉朝の水やりを忘れてたときでも、夜には与えないほうが良い?
朝の水やりを忘れてた…。でも夜にあげると徒長しちゃうんなら、朝まで待ったほうがいい?
こういった場合では、観葉植物の状態を見てみましょう。
たとえば、こちら↓のように、水が切れて株全体がグターっとなっていたら、夜でも水やりしたほうがいいです。
このまま放っておく時間が長いほど、回復後に”葉っぱが枯れてしまう箇所”が多くなります。
とはいえ「ゴムの木」など、水が切れていても、葉や茎に変化が出ない種類も。
「しばらく水やりしていない」、「日中暑かった」というときには、夜でも水やりしてあげましょう。
〈疑問②〉夏の朝に水やりをしても夕方には乾いていたらどうする?
朝に水やりしたけど、日中暑かったから、夕方もう土が乾いてる…。夕方にまた、水やりした方が良い?
日当たりや株の状態、鉢の種類によっては、朝に水やりしても、夕方には土が乾いていることがあります。
とくに、素焼き鉢など乾きやすい鉢を日なたに置くとよく起こります。
このときも、上記「疑問①」と同じで、観葉植物の状態を見て水やりすべきか判断しましょう。
ただし、夏はとにかく土がよく乾くため、「朝夕の2回の水やり」がちょうどいいかもしれません。
〈疑問③〉水やりを忘れて、土が完全に乾いてしまったときはどうする?
2~3日水やりを忘れてたら、土がカラカラに乾いちゃった…。水やりしても、水がしみ込まないんだけど、どうすればいいの?
観葉植物の培養土には、「ココピート(ココヤシ)」が多く使われています。
「ココピート(ココヤシ)」は乾くと水を弾きやすく、水やりしても水がしみ込みません。
そこで、土が完全に乾いてしまったときは、次のような方法をとってください。
1.鉢より大きいバケツを用意する
2.鉢がまるごと浸かる量の水を、バケツにはる
3.鉢ごとバケツの水に沈める
4.そのまま20分ほど放置すると、ゆっくりと土に水が染み込む
一度カラカラになってしまうと、上からいくら水やりしてもしみ込みません。これでは水やりの意味がありませんので、必ずこの方法をとってください。
まとめ:最適な時間帯”朝”に水やりして、観葉植物を元気に育てましょう
この記事では、観葉植物への水やりに最適な時間帯やその理由、水やりに良くない時間帯、水やりのポイントも解説してきました。
ぜひ記事参考に、最適な時間帯”朝”に水やりして、観葉植物を元気に育てましょう。
◆「観葉植物の情報全般」は、こちらの記事でまとめています。
・記事「【観葉植物まとめ】育て方のポイント、増やし方などすべて紹介」
参考文献
この記事では、下記の書籍を参考にさせて頂いております。
- 書籍 上田 善弘・著『園芸「コツ」の科学』講談社
- 書籍 NHK出版・編『とことん答える800問!園芸なんでもQ&A』NHK出版